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2008年10月15日

70年代懐かしの味<杉の木>のパエリヤ

1970年の後半、東京からキャデラックやムスタングのオープンカーを飛ばして、横浜へ「パエリヤ」を食べに行くことは、当時のオシャレな人々にとって、とてもとてもステイタスなことだった。


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みなとみらいもランドマークもない時代。
港には大型タンカーやコンテナ船が着き、数少ないレストランバーは、外国人で溢れていたという。
本牧名物のカップル同伴ディスコ<リンディ>は風の噂に聞いただけ、関内駅前ビル<セルテ>の上階にあった<カウベル>には、同級生の粋なママに連れられて、自分の親には内緒で、一度だけ行った。そこはまるで外国映画の中。遠い記憶の、どこにもないヨコハマのディスコ。
ダンスホールやキャバレーにはどこもバンドマン達の姿があり、中華街も外国人相手の店がとても多かった。

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今では夢のような時代。
「杉の木」はその時代にオープンし、しつらえも料理メニューも当時と何一つ変わらない<地中海を航海する船の中>の雰囲気に満ちたレストランである。トワイライトタイムはヨコハマでもっとも絵になる交差点に象徴的に建つ貿易協会ビル1F<スカンディヤ>の隣にある。
こじんまりした入り口の扉の向こうはオリーブオイルとガーリックのよい匂いが鼻をくすぐる。新しい店には出せない、独特のムードが立ち込めている。客の飲んだキャンティの空き瓶がオブジェとなり、ほの暗い鉄製のシャンデリアの下、郷愁を誘う古い歌曲が流れる。キャンドルの灯がゆれるテーブルを囲み、魚介で豪快にだしをとった<パエリア>や<エスカルゴ><エスパニョールスープ>を食べ、キャンティを飲み干せば、荒くれ船乗り達のノスタルジーに触れることもできるだろう。

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ヨコハマが気に入って、そのまま居ついてBarをオープンさせ
現在に至っている元船乗り達の店も少なくない。そういう店は、彼等の祖国のイメージのままにしつらえてあるから、<元船乗り達の店巡り>で、旅気分を味わうのもいいだろう。

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奥様は当時を振り返りながら「あの頃このあたりは料理店もほとんどなかったですね。だいたい日本人の方より外国の方が多かったんです。“パエリヤ”なんてまだ知ってる人もいなくて。
たまたま寄ってくださって“パエリヤ”を気に入り、それから通ってくださるようになったお客さんも結構いらっしゃいます。かなり遠くから車で見える方も」と語る。
波止場の入り口に、これ以上似合う店もないような気がする。

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<地中海料理・杉の木案内>

中区海岸通り1-1横浜貿易協会ビル1F
営業時間11:45(土日祝12:00)~14:00、17:00~22:00 木休(月1回水休あり)
☎045・212・4143